前職

  • 2008/05/25(日) 10:03:10

前職は製造業向けエンジニアリング用ソフトウェア・ベンダーのカントリーマネージャーだった。代表取締役だった。

と言っても日本法人は自分一人だけ。エンジニアはいなかった。

2年前にこの会社に採用された時は、会社を日本市場に根付かせる意味でも自分はエンジニアが絶対に必要で重要なことだと主張していた。

VPはエンジニアを雇わず当分一人でやってもらうことになると言っていた。でも、社長は早い時期にエンジニアも雇う予定だと言っていた。2人の間に食い違いがあった。

で、日本法人は1人だけでスタートした。

自分は技術出身ではないので大変だったが幸いにも代理店に恵まれ、1年後には世界で二番目の売上を上げることができた。一番は言わずと知れた北米だ。

でも、会社は前年対比で50%増の売上げを目標にしていた。

日本は30数%増くらいだった。同時期に法人設立された中国に至っては社員が2人もいるのに売上げは全くないのに等しかった。

日本のマーケティング予算は充分ではないが一応展示会に2回くらい出られるだけの額が用意されていた。用意されていたはずである。

でも、展示会への出展を一度たりとも許してもらえなかった。
VPからは、企業の大小を問わず代表電話に電話して、「自分たちはこれこれのソフトを売ってます。担当者の方にお繋ぎください。」と電話しまくれと毎日のように言われていた。コールドコールをしろと言われていた。

20何年も前によくコールドコールをしたが、昨今では個人情報保護法のこともあり、ほとんどの企業では名前を指定しない電話を繋いでくれない。

どうしてもコールドコールに固執するのならノウハウのあるテレマーケティング会社を使うことを提案した。また、会社の名前や製品を知ってもらうためにも展示会に出展したり、広告を出さなければいけないのだと説明した。

このことをVPに話してもアメリカはコールドコールで成功しているんだの一点張り。

VPと自分の間にはマーケティング方針に大きな意見の食い違いがあった。
結局、マーケティング予算は全然使ってくれなかった。

で、クビになった。

その3ヵ月後、代理店の人からそのVPもクビになったと聞いた。

今年になって、その日本法人はテレマーケティング会社を使って数百の企業に電話しているらしい。また、日本で初めて大きな展示会に出展したとも聞いた。かなり効果はあったと代理店の人が言っていた。

日本のビジネスでは往々にして利益率が良いので、会社としては適当にやって赤にならない程度にそこそこの利益を上げられれば良いと考えているのか、真面目に取り組まない外資ベンダーも結構あるらしい。

自分のときはそんな会社だった。

でも、良かった。

その後にいろいろと人生の上で重要なことを知るきっかけになった

これを失敗というか分からないが、起業のためには多くの失敗が必要なことは確かだ。

不動産屋だって住宅メーカーだって大変なことは充分に分かっているし失敗することも分かっている。

でも、最後に成功すればいいんだ。

だから、もっともっと失敗しよう。

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